レストランワークの経験値 ~注意すべきモノは?~
飲食店でのマジック、つまりはレストランやバーでのマジックは
マジシャンになった際に、比較的初期段階で
経験するタイプの仕事だとは思います
とはいっても、マジックを演じる場としては
飲食店は決していい状況ではなく
マジック以外の部分のコントロールをすることが
実はかなりの部分求められるわけです
つまり、ホッピングなどを何の問題もなくこなしていける
そんなマジシャンは、少なくとも
マジックに関しても、現場に関しても
ある程度の知識と経験を持ち合わせていることになります
もちろん、こういったことは
一般の方には分からない部分だと思います
でも、ある程度の知識と経験を持ったマジシャンから見たら
ホッピングの際の動き一つ見れば、そのマジシャンの
経験値がどれくらいなのか、だいたい判断はできます
マジックが上手いとか、下手とか
そういったことよりも以前の問題として
レストランでは注意しないといけないことが
いくつもあります
今回はそのうちの1つをご紹介しておきます
このポイントに意識を向けられるようになったら
実戦経験を積んできたといえるでしょう
何に意識を向けられるようになるのか?
それは「テーブル上の物」にです
テーブルの上には、どこに何があるでしょうか?
慣れたマジシャンなら、実はテーブルに入った瞬間に
これらを認識しておきます
場合によっては、料理の進み具合とかまで計算して
次の料理がどれくらいで来るのか、とかも
考えて演技をするのですが、まあ、そこまで要求するのは
酷ってもので
まずは物理的に何がどこにあるのか、ってことです
分かりやすいのはグラスです
これをグラスワークと言います
観客が思わずグラスを倒してしまう、なんてことは
よくあることですが、慣れていれば
観客との距離、観客のテンション、グラスの位置などから
避けられるようになっていきます
個人的には、危ないな・・と思ったら
わざと大げさに
「あ、グラスをちょっと動かしますね」
と、みんなに分かるように1回意識づけます
グラスを注意しないといけないな、と
意識に刷り込む感じです。
もちろんこれで完璧ってわけでは無く
酔っていると、こういった埋め込んだ情報も
結構簡単に忘れてくれます(笑)
なので、物理的に注意して観客との距離を取ったり
物を示す場所、手を出してもらう人等
全てをコントロールしていくのです
こういったことを考えつつ、マジシャンはマジックをしています
あ、少なくとも、僕らのような飲食店で演技することに慣れている
マジシャンたちは、ということで
なので、ちょっとした動きを見ていて
「ああ、意識が行ってないな・・・」
となると、少なくともそういった場での経験値が少ないな、と
分かるわけです。
もう1つは、料理との距離感でしょうか
比較的よくあるのは、マジシャンが衣装の袖を
料理につけてしまう、なんてこと
こういうこともありうるので、袖をまくっておく
という人もいると思います
こういう点で考えると、飲食店向きな衣装とそうでない衣装がある
って言うことも分かってくるわけです。
自分の好きな服を着るのか、そうではなく
ある程度の機能性を持ったものを着るのか
などなど
ただ、服装だけではなく
リスクを減らすのならば
実際の行動から注意をするわけです
どういうことかと言えば、料理の上に
自分の手をできるだけ出さないってことです
カードを持っていたら、カードに落ちてしまうかもしれませんし
コインも落ちるかもですね
ロープなら、端がついてしまうとかもあり得ます
この辺の事って、デビットストーンのDVDでも
触れていることですよね
飛ばしてプロダクションとかしたカードを
取り損ねて、料理の中に入ってしまう、というシーンが
あれって、実際にあることなんですよ
だから笑い話というか、いわゆるアルアルの内容なわけです
だから、現場でああいったことができる人って
相当慣れている人、ってことなんですよ
だって、空調で空気の流れがあるかもしれないですし
カードがへたって、変な風に飛ぶかもしれないわけですし
まあ、その辺はテクニックとして避ければいいのですが
何も考えずに、料理の上に手を伸ばすマジシャンというのは
そういったリスクヘッジが出来てないと、判断されてしまいます
マジックはできるかもしれませんし、その人は面白いのかもしれません
でも、レストランワークなどがきちんと出来ているのか?
ってなると、微妙になってくるわけです
すごい人でも、リスクを抱えた状態にある
ってことですから
飲食店でのマジックって、自分のマジックを見てもらうことが
主たる目的ではないですからね
食事に来ているお客さんの時間が、少しでもより良いものになれば
ってことになりますので、そのためにリスクを減らす
これは「お客さんが不快に思うかもしれないリスク」を減らすんですね
この感覚を持っているのか、持ってないのか
ちょっとした動き方で、経験値を感じるのです
レストランでの仕事の場合
マジックができるのは当たり前の事
目的はマジックではない、ということを意識して
リスクヘッジもしていきましょう
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