パーティーなどのサロンマジックへの対応 ~実践的レベルとして~
2019年も、もう終わりですが
年末年始においては、クロースアップワーカーである
僕の所にも営業でのステージ・サロンなどの仕事依頼が
やってくるものです。
プロマジシャンとして仕事をしていれば、そういった
依頼が来ることは当然でしょうし
そういった依頼に対して、適宜対応していくことが
生きていくための手段ともいえるわけです。
あまりにもサイズが大きい場合には
もちろん適切な人に仕事を頼むってことも
信用を勝ち取る手段の一つなので、ムリしないってことも
大事ではあります。
例えば、僕一人で数百人から千人規模のイベントを
どうこうできるなんて思いませんので
適切な方へご相談したり、ご紹介したりってわけです。
ただ、クロースアップの人間なら数十人から
100人程度の規模のパーティーなら
マジックの力と知恵を使うことで、独力でもどうにか
なっていくはずです。
では僕個人ならどうするのか、あくまで個人的な経験やルールとして
5つのポイントをここでまとめておきたいと思います。
まずは・・・
現象のフレームを考えることです
例えば、カメラフォローが入るなら1000人規模でもコインマジックとか
いけるかもしれませんが、独力でと考えると
まあ、ムリですよね。
まずは見えやすく、フレームを水平から垂直に
自分が立っていてそれが背景になるような
そういったトリック・素材が大切になってきます。
見えないって、とてもストレスなので。
クロースアップマジシャンだと、どうしても現象が平面的に
なりやすいのですが、意識的に垂直面での
現象にして行きましょう。
カードを1枚当てる、なんてこと1つにしても
カードスルーハンカチーフとかにして
垂直に見えるように。
ちなみに、カードが1枚当たるってだけでも
きちんとしたマジックですので甘く見ないようにしましょうね。
さて、2つとめとしては
現象を被らせないようにすること
これ、簡単な方法としては、素材を変えていくことなのですが
クロースアップでカードとコインしかやってない
なんて人は、この辺で苦しむことになります。
カードばっかり何かする、ってなると
現象が被る・似るってことがありますので
その辺は意識して散らばせます。
当たる、にしても素材が異なると違って見えますが
素材が同じだと、現象が違っても似て見えます。
まあ、演者が現象を理解しきってないって事もあり得ますが。
逆に、ロープを切って復活させるというのと
カードを4ピースにちぎって復活させるのは
少々イメージは違うと思いますし。
ともかく、一致・予言・浮揚・出現などなど
現象を変えていった方がお客さんは飽きないはずです。
僕個人は素材を変えて飽きないように、と思っています。
ただ、悪い点としては、封筒をたくさん使ってしまう所でしょうか(笑)。
これは、単にステーショナリー好きな所もあるのですが
クロースアップサイズだと、仕分けしておくことや準備の簡便さで
紙物が多くなってしまいます。
予言を入れておくとか、出現用の物とか、バンクナイトとか。
僕としてはちょっと改善していきたい所です。
さて3つ目として
時間を守る
ということですね
年末年始、呼ばれた会そのものの時間は決まっています。
会場を借りているなら、なおさら決まっています
その中で、20分なのか、15分なのか
その時間をきっちり守ることがプロフェッショナルとして
大事です。
ずれがあったとして、10%程度ですね。
20分なら、前後2分くらい。つまりは18分から22分程度。
複数回やって全部で40分なら、ずれて約5分くらいでしょうか。
これくらいなら、許容範囲でしょう。
調子に乗って伸びるなんて、あってはならないことです。
短い分には怒られることって少ないですが
長いと多岐にわたって迷惑がかかることが多いので。
ある意味で、この辺の振る舞いを見ていると
プロなのかそうではないのかが如実に分かります。
さて、4つ目のポイントはこことも関係していて
リセットは簡便に
ってことですね。
セットやセットオフにあまりに時間がかかるのは
やはり会場に迷惑をかけてしまいます。
そして、もし複数回演じるなら、その間のリセットは
簡便にしておかないと、演技時間を削っていくしかありません。
先日20分2回というちょっと面白い営業の現場になりました。
広めの部屋の端で、2人の演者が入れ替わって、というもので
僕のリセットはキラさんの「ブリンク」の封筒位でした。
ちなみに、これも垂直でカードの出現が見えるようにするための
大事なアイテムです。
リセットは、時間にして20秒って所でしょうか。
消耗品もありましたが(封筒です(笑))、これは最初から2セット分
準備しておいたので、そのままスタート可能でした。
そして、持ち歩いている物は、グラスだけで
そこに必要な道具を入れておけば大丈夫なようにしてました。
場合によっては、スーツのポケットに戻す位。
もちろん、30分とか40分とか結構がっちり目の
ステージマジックを演じるなら、大きめのキャリーカートで
現場に来てセットアップし・・・
なんて人も多いと思いますが、僕が演じる現場や演じるものは
そこまでではなく、機動力重視の現場ですので。
もちろん、僕もテーブル組み立てて、シルクを準備して・・・
なんてことをすることもありますが、僕の主戦場ではないですから。
なので、セット・リセットは簡便に行きましょう。
これができれば、1日に複数現場とかも可能になりやすくなるでしょう。
さて、最後の大事な5つ目ですが
主役は自分ではない
ということです。
パーティーならその会が重要であり、みんなで楽しいことが大切です。
自分を主役にしたいなら、自分でショーをすればいいだけです。
お呼ばれされて、その場での演技なら
出過ぎた真似などはせず、必要な範囲での
盛り上げに徹するのがいいと思います。
勘違いしてほしくないのは、出過ぎるな、というのではなく
まずは自分の仕事を分かって徹しましょうということです
これまた、たまに勘違いして
自分が主役であるかのように
他人のパーティーでマジックしている方も
ここもまた、プロフェッショナルらしくない振る舞いですので
簡単に言えば、依頼された内容を理解して、空気をよんで行動を
ってことです。
個人的な感覚とすれば、過ぎたるは及ばざるがごとしなので
静かにフェードアウトするくらいでいいと思っています。
この辺だけでも理解していれば、クロースアップワーカーが
その仕事範囲を広げていくことも簡単だと思います。
コスチャキムラットのDVDなども参考にしていただけると
またいろいろと学べると思いますので
ぜひ、合わせてご確認ください。
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