達人のミスディレクション その心地よさ | レストランマジック研究所  戦略と戦術をお持ちですか?

達人のミスディレクション その心地よさ

bebel4Fに参加した際に
ベベルのカードマジックを
真夜中、独り占めしてじっくりと
見たことは、以前の記事で書いてます
「カードの扱い スモールパケットでのパーム」

今回はそのミスディレクションに
関して少し触れていきましょう

大胆にして繊細とでもいえる、そのテクニックはあまり日本で
知られておりません

これは、以前に来日した際に、その演技が精彩を欠いたものだった
ことに起因するかもしれません
(たぶん長旅の疲れと、食の問題ではないでしょうか?)
また、彼の映像もそれほど多く出回っていません

これはビデオやDVDがアメリカを中心にリリースされているために
ヨーロッパの情報が入りにくい、というのもあります

昔なら、フランスはPAL形式だったので、ビデオが見られない
という事もあったでしょう
(正確にはDVDにもPAL形式があり、一部再生機では見れないことも)

そんな中で見せてもらったベベルのテクニックは、想像をはるかに超える
物ですし、非常に精密な物でした

彼の指先のテクニックもとんでもないのですが、実際に会って
演じてもらった際に、見事に引っかかるのは
ミスディレクションです

カードを胸のポケットから出す直前に、一瞬だけ視線をポケットに落とします
その瞬間に、必要な仕事をされてしまうのです

時間にしても1秒足らず、首を少し下げる
極端に言えば、眼球をそちらに動かす程度で見事にミスディレクションに
引っかかります

もちろん、僕が彼の動きに集中しているから
というのもあると思いますが、それでも恐らく最小限の動きで
ミスディレクションをかけて、見事に仕事をこなします

DVDなどだと、彼の指先の部分のみがフューチャーされるのですが
彼は様々な動きの中に、本当に必要な動きを巧みに混ぜるため
「余計に見える動き」が起こります

これが、若干雑に見える印象を醸し出すのですが
その裏ではとんでもなく正確なテクニックを繰り出していることが
多々あります

手だけを見ていたら、そのインモーション(予備動作)等も
小さいながらも分かるので、過小評価されてしまうでしょうが
実際には、そういったタイミングで、彼はミスディレクションや
オフビートをかけてきます

その為に、手元を見れないか、完全に記憶から消えてしまうのです

足が悪い、という事もあって、座って演技することがほとんどの
ベベルです
その為に、たとえば上半身全体を使ってのミスディレクションなど
あまり得意ではないはず

そういった中で、最小限の動きのミスディレクションが生まれて
きたのだと思います

彼に聞いたら
「ダブルクロッシング」は意識的にかけている
と、答えてくれました

視線を2点間で動かし、動作を認識させない、という作業になるわけですが
これも大きな動作ではなく、それこそ
顔の向きを変えながら、手を少し動かす、程度のものです

タマリッツの「5Points」を見ると、立っている状態で示している
写真になっているために、使おうとしている人は
大きめの動きになりやすいと思います

タマリッツは、ああいったキャラだから大きな動きにしているだけで
恐らく動きを半分以下にしても、完璧にこなすでしょう

その状態のタマリッツが、面白いのかどうかは別にしてです

つまりは、自分がきちんと理解しておけば、あそこまで大きな動きで
なくても、見ている人はきちんとミスディレクションに引っかかります

そして、引っかかっている人は、何も感じず何も気づきません

もちろんそのレベルまで行くのには、かなりの修練が必要になりますが
まずは基本的な事柄の理解をしておけば、無駄に体をブンブン振り回す
ようなかっこ悪いミスディレクションをしなくなるでしょう


 
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