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マジックにおける反応速度論的VS熱力学的事柄

実験僕自身
大学を卒業する際に
その中で学んだほとんどの事を
おいてきたつもりです(笑)

ただ、イメージというか
何かを表現する際に
慣れ親しんだ言葉を
使う方が楽なときがあります

そのうちの一つが「反応速度論的」と「熱力学的事柄」
という言葉です

僕自身、この概念を大学の無機化学あたりの授業で学んだ時に
非常に面白かったことを覚えています

決して難しいことではなく、高校の化学程度でも鋭い人間は
気づいているとは思うんです
(早ければ、中学生でも)

どういう事かと言えば・・

例えば、水酸化ナトリウム溶液なんかを扱った事があるでしょう
中学の時に、酸とアルカリとかの実験で

でね、そのころの知識を忘れてしまった方もいるかもしれませんが
強アルカリって、ガラスを腐食させるのですよ
何で、ビーカーとか使えるのでしょうね?

ココの所が、「反応速度論的」と「熱力学的事柄」の部分です

確かに、ガラスは腐食されるのですが、そのスピードが問題です

簡単に言ってしまうと、反応するかどうか
つまりはどういった状態になっている方が安定なのか?
という事を考えるのが、熱力学的な考え方です

つまり、最初の状態と、最後の状態を考えるようなものです
その間の時間はあまり考えません
この学問分野は、そういうものです

そして、その反応が、実際にどれくらいかかるのか
そこを考えるのが、反応速度論
いわゆる触媒なんてのは、このあたりの事柄ですね
自分は反応しないけど、反応を早くしてくれる存在
ってことで

こう考えると、さっきの水酸化ナトリウムを考えてみると
反応はしていても、要はガラスがすぐに溶けてしまうほどの
速度でもなければ、実験に支障が出るほどの反応もしないってこと

これ、マジックのギミックなどに関して
使う時があります

何かのギミックを作ったとしても、不安定であったり
使いにくいものがあると思います

もちろん多少は痛んでいくでしょう

でも、実際に演じる際には、使えるわけですから
それはそれでいいわけです

こういった物を見て、僕自身は
「反応速度論的に使えているね」
という事があります

リールなんてまさにそう
動力のゴムも、スレッドも確実に劣化するわけです
それを考えれば、使えなくなる事は目に見えています
でも、反応速度論的には使用できているわけです

また、改造した際にも、そのクオリティの問題で
使用できていることも確かで
ある程度のメンテナンスは必須になるわけです

どのくらい長く使えるギミックになるのか
それは、メンテナンスしている本人の腕と想像力が重要です
どこがどのように影響して、どんな反応を起こすのか
まさに頭の中に化学式を描くような感じ

そこへ要素が抜けていたら、あっという間に
反応が終わり、反応速度論的にも使用できないようになります。

これ、ある種のセンスと言えばセンスですが
土台になるのは、基本的な知識
その知識をもとに、創造力を働かせていく

これ以外に、使いこなせるようになる方法はないでしょう

何も考えず、安易に道具に頼らないように
知識と想像力を駆使してください


 
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