マジックで英語を覚えてみよう4 門外漢な単語?
あまりにもいろいろなことが起こっていて(大抵はストレスにしかならないのですが)
こちらの更新もままなりません
妙にお金ばかりが出て行く8月・・・
誰かにエネルギーを無駄に消費させられている感じです
気持ちを取り直し、今回はペーパーエンジンよりの英文です
In a Close-up show, the audience is close enough to touch the performer. There is no fourth wall.
今回は2文ですが、構文は非常に簡単。
1文目がSVCの構文ですので、意味は「SがCの状態である。」と言うこと
2文目はThere is構文ですので、「~がある。」と言うこと
There is構文ですが、これはちょっと特殊な構文で、位置関係や状況に
目を向けて欲しいときの構文です。
意味的には「I have ~」と同じになるのですが、両者の違いは
意味の中心をどこに置きたいか、と言う点です
There is構文は後半にある副詞要素に意味の重点が置かれ、I haveの構文なら
目的語が重要になってきます
こういったことが分かっておくと、パラグラフ中で何に力点が置かれ話がなされるのか
形から、内容を捕まえることができるようになります
もう1つ補足の知識を、代名詞の読み取りって結構難しいですね
特に日本人には「It」は難しいです。
「このItは何を指しているの?」
なんてことは、1度や2度はあると思うのですが、もちろんまずは文法的判断をしていただき
それでもよく分からない場合の手として、実は話題の中心しか代名詞にならない
と言うルールがあります
パラグラフを俯瞰してみた場合、何が話題の中心になっているのか、そこを考えると
意外に簡単に内容をつかめますので、見失ったらチャレンジを
さて話を戻して・・
In a Close-up show
ここはいいでしょう「クロースアップのショーでは」
冠詞が不定冠詞なのは、ショーはたくさんある、ということの表れとでも考えれば
いいでしょう
the audience is close enough to touch the performer
大切なのはenoughですね
この単語、副詞と形容詞があり、特に副詞で使う場合には特徴的な使われ方がなされます
後ろに副詞用法の不定詞を引き連れつつ修飾する語の後ろに来ます
修飾語の後ろ(つまりは後置修飾)に来る理由は、複数語だからなのですね
逆を返せばこの単語を見たら、後ろの不定詞は副詞用法・程度表現になるわけです
訳し方は「~ほど十分」です
今回なら「演者に触れられるほど十分に」になり、前の形容詞と合わせて訳せば
「演者に触れられるほど近く」となります
SVC構文ですから、そのように存在している、と言うことで、訳として
クロースアップショーでは、お客さんは演者に触れられるほどの位置にいるものです。
です
さて、ポイントは次ですね
普通に読んでも何のこっちゃです
これはですね、舞台や演技論で取り上げられるテクニカルタームなのです
普通に調べたのでは、ちょっと出てきにくいかもしれません
こういった専門用語に関しては、実は非常に厄介です
それ相応の辞書で調べないといけないのですが、もちろんそういったものは
市販されていますので、様々な辞書を持っておきましょう
で、訳者で大変な点は、ここが1つですね
多岐にわたる分野の知識がないとやってられません
そういったことを考えると、戸田奈津子さんとかすごいんですね
得に通訳の場合、相手の人が育ってきた経緯まで知らないと、適切には訳せません
その人らしくない単語がいきなり出てくると、僕はフリーズしてしまいます
1つ便利なものをお伝えしておきます
訳者なら結構使っているとは思うのですが「英辞郎」という辞書があります
訳者が訳者のために作ったもので、Webのものもあります
スペースアルク、と検索すると出てきますので、ぜひご利用ください
で、fourth wallですが、演者とお客さんの間にある見えない壁のことを意味します。
舞台上の「芝居」とお客さんの「現実」とを分けているもの、と考えればいいでしょう
ここを飛び越えるのが、メタの考えですね
メタミステリーなどを読んだことがある方なら、「何か違和感のある一線を飛び越えた」
感じを経験したことないでしょうか?アレがfourth wallです
これを考慮して訳すと
お客さんと演者の区別など、全くないのです
位?
要は、壁の向こうで淡々と演技していくのは、クロースアップとしては面白くないし
良いものでもない、と言っているわけです
個人的な意見としては、fourth wallをうっすら残しておきたいですけどね
それは最高のものを見せるため
観測者がいることで、観測結果が不確定になることは、量子化学の分野では当たり前
クロースアップも同じですが、できるだけ同質のものを提供しようとすると
観測者を積極的に壁の内側に入れなくてもいいのでは?と思っています
まあ、この辺は手法の問題ではなく、程度の問題だったりしますので
お客さんを巻き込んでいくのは重要ですが、コントロールできている状況下において
行うようにしていきましょう
というか、アロンの知識の多彩さを、相変わらず感じさせてくれます
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