カードがひっくり返っている事 ~その2手と現象のパワー~ | レストランマジック研究所  戦略と戦術をお持ちですか?

カードがひっくり返っている事 ~その2手と現象のパワー~


マジシャンが精いっぱいのおもてなしをするとしたら
どうすると思います?
 
恐らくは、多くのマジシャンが
嫌ってくらいに、沢山の不思議なマジックを
やってくれると思います
 
ただ、見ている側にとっては
それがおもてなしなのか
拷問をされているのか
判断が難しい所でしょう(笑)
 
マジシャンからしたら、不思議なものを相手に示さないと
と思うことが多いのでしょうが、実際には
見ている方と、こちらの不思議を感じる程度が
非常に異なっていることが多いわけです
 
もっと言えば、マジック好きな人なら
そりゃあきちんとマジックが出来てないと嫌でしょうが
たまたまマジシャンに出会って、マジックを見ている人なら
別に上手く行こうか、行くまいが、楽しけりゃいい
位なものでして
 
お酒の飲めない僕だって、むさくるしい男が隣に来るより
そりゃあ綺麗な若い女性が隣に座って
お酒でも注いでくれる方が、本能的に選択するわけです
 
一般のお客様は、僕らが考えるよりもはるかに
不思議を不思議がってくれる
ということを、理解しておくべきだと思いますし
何なら、不思議なんていらないってことを心に留めておく
べきかと
 
覚えたカードをデックに戻し、よく混ぜたのに当たる、とか
いつの間にか選んだカードがひっくり返る、位で
十分に不思議なんですよ
 
個人的な経験から言えば、カードがひっくり返っているって
とてもインパクトのある現象なんですよ
ホント、なめちゃダメ!
 
ということで、今回はカードのリバース現象に関して・・・

一時期、カードをひっくり返す方法として、実用的で
できるだけ手数をかけないものは・・・と
探している時期がありました
 
それはとりもなおさず、その現象が強烈だから
 
例えば、ツイスティング・エースとか
一般の方に演じたことありますか??
このトリックがどれだけ驚かれるか
 
かつて出したDVDで、僕の演技の仕方を載せていましたが
あらかじめ宣言することで、ある意味チャレンジな状況を作り
注目してもらいつつ、ちょっとしたギャグなども入れつつ
そして最後は体感してもらうようにする、という感じにしています
 
あまり難しいことは考えていません
お客さんが驚くであろう、または楽しんでもらえるようになるであろう
そういった要素を組み込んでいったまでです
 
個人的に、あまり現象や手法を分解して考えることが
得意ではないもので、体感した事柄の方を優先し
そこから帰納的に何かを見つけ、それをさらに演繹的に
使っている感じです
 
他の人のレクチャーや演技を見るのは、自分で帰納的に
見つける手間を省いているような感じでしょうか?
 
それはさておき、ひっくり返すという実にベタな部分を
何かにプラスするだけで、十分に不思議なマジックになるんです
 
東日本大震災の際に、和泉氏が作ったレクチャーノートへ
作品を提供していますが、その際もポール・ウィルソン氏の
トリックにこのリバース現象を付け加えた物でした
 
恐らく
「なんだよ、そのままじゃん!」
って思った人がほとんどでしょうが
実際に演じてみて、自分の手元で表向きのカードが
出てきたお客さんがどれだけ驚くのか体感した人は
そのままと思った人の数に反比例した人数しかいないでしょう(笑)
 
あのノートで発表した方法は、決して簡単な方法ではないのですが
再度、リバースしてカードを当てるということに対して
興味を持ち、そして実際にレパートリーにしてみようと思っている
次第です
 
そこで最初に戻って、ひっくり返す方法は?となると
基本的には、2パターンしかないと思っています
 
1:ターゲットのカードをひっくり返す
2:ターゲット以外のカードをひっくり返す
 
上記2つの事柄を、手順中に散らばせて行けば
密かにリバース可能ってことです
 
1は簡単ですね、ハーフパスが代表的でしょう
僕自身、友人であるアロンフィッシャーの本を訳す際に
さんざん練習してきたので、多少は上手いです(笑)
 
適切に行えば、案外分からないものですし
手の角度や動きなどを注意すると、それほど難しいものでも
ないと思っています
 
実際、ツイスティング・エースではハーフパスを使っていますので
 
2の方は、ブラウエのリバースが代表でしょうか
適切な意味合いがあれば、全く怪しくないものだと思います
 
ただし、全体として仕事量が多くなる可能性がありますので
それらを適切に進めていく、適切な意味合いを持たせる
等に注意する必要はあります
 
カードを配る際に、表向きで配っていくと
実は裏向きでプラスするタイミングが出来たりします
ですので、デック(パケット)を表向きにするってことを
考えてみると見えてくるところがあると思います
 
そして、もう1つ特殊な方法として
・垂直を水平にする
という手があります。
 
これ、垂直を水平にすると、観客の見ているカードの
面が変わるんです
 
アロンのヘルター・スケルターなどの手順を見ていただければ
お分かりと思います
重力に従うあまりにも自然な動きなので誰も
リバースされたことに気がつきません
 
ですので、2の作業をしたい際に
垂直に示すというディスプレイを行うと
実は簡単に仕事ができるかもしれません
 
難しいことをして、お客さんを置いてきぼりにするくらいなら
ベタな手順に、カードのリバースを付加させ
お客さんとのコミュニケーションに意識を向けた方が
全体としてプラスになると思いますよ
 
是非、リバースの現象をプラスできるところがないか
自身の手順を見直してみてください


 
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