それでいいですか?:バイヤーズリモース的後悔
カードマジックをする際
最近だったら、メンタル系の
トリックをする際に
よく使うセリフが
あると思います
「それでいいですか?」
「今なら変えられますよ?」
なんて言葉ですが、この言葉あまり安易に
使わない方が良いと、言われてきました
言われてきた、というよりもごく一部の人だけそう感じている
と言ったほうが正解だと思いますし
僕はそういった人の影響を強く受けている、という事です
実際には、自分の演技のフェアさ、相手の選択の自由度を
高く感じてもらうためにこういった言葉を使い
(場合によっては多用して)
観客に伝わるようにするわけですが・・・
ちょっと、話を遠回りしますが
「バイヤーズリモース」
という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
英語ですが、日本語にしたら「購入者の後悔」
というものです
「本当にこの料理を選んだのは正解だったのか?」
「この仕様の車が、一番自分に合っているのか?」
「この結婚は正解だったのでしょうか?」
などなど
もちろん、誰でも少なからずこういった後悔はするものです
でもですね・・
別にマジックの世界において、この後悔を感じさせる必要は
無いわけですよね
わざわざ手伝ってくれた観客の方に、後々凹ませるような
感情を持ってもらうタイミングを作る必要はないってことです
もちろん、演技が冗長になる、わざとらしいセリフになる
相手に無駄な時間を与えてしまう、などといった事からも
こういった、相手の自由度を無駄に上げたり、それを強調する
必要はないとも思いますが
それ以上に、この後悔はなかなか強力に心に残ります
まあ、後悔っていうくらいですからね
つまり、マジックの手順が終わって、相手の心に残るのは
「後悔」
って、嫌じゃないですか?
もちろん、何かしら相手の心に残る、という点に関しては
成功しているので、方法論としてはナシではないと
思いますが、気分よく終わりたいですしね
演者としては、単にフェアを強調したいだけ
と考えて使った言葉としても
実際にはマイナスの影響が生れるってことを
理解はしておきましょうね
ちなみにですが
選択の幅が広がると、つまりは自由度が高くなると
人は満足度が下がるのだそうです
一般的な感覚だと、選択肢が多い方が満足度は上がるような
気がしません?
でも、そうではないんですって
要は自分の責任が増えたり、手に入れられない機会が
よりたくさん生まれて、その度にちょっとした後悔が生れたり
こういった事を理解していないと、周りの状況に動かされ続けて
ずっとストレスを感じ続ける、ってことがあるわけですよ
そういった感情が起こることが分かっているのなら
もちろん、対応方法はありますし、逆に利用することも
可能になってくるわけです
面白いですが、この心理が分かればわかるほど
「生きにくい時代なんだなあ・・・」
と思いますが、脳科学などに興味のある方には
なかなか興味深いでしょう
ちなみに、この本です
⇒「購買選択の心理学」
マジックとは関係の無い本ですが、「選択」に対して
人がどのように感じるのか、行動するのか、細かく研究している
面白い本ですよ
手品・マジック(趣味) ブログランキングへ