複雑化の法則:マジックにおいて
マジックに限らず様々な仕事において
「手数」を減らしてシンプルにする
ということは、意識される事だと
思います
僕自身も
「その方がイイから」
位に、漠然と思っていたのですが
先日久々に読み返した書籍に
明確な理由が書かれていました
「フォーカルポイント」という
書籍なのですが、この中の章で
「全てをシンプルにせよ」
という章があります
そこに複雑化の法則というものがあり
(これは経験則のようなモノであって、アカデミックな証明等をされている物ではないようです)
「どんな仕事も、その仕事の手順の数の二乗に匹敵して複雑になる」
というものだそうです
手数が増えれば複雑になるのは当たり前なのですが
それが二乗倍とは思っていませんでした
その本の例としては・・・
電話を自分でかけるとすると、手数は1
これは複雑さレベル1の仕事
でも、誰かにかけてもらうとすると、手数は2
(相手に指示をする、ということですね)
ですので、複雑さはレベル4になるそうです
マジックなどに読み替えるなら
例えば、コインマジックで手から手にパスをするなら
その度毎に手数が増えるわけです
カードでもコントロールが増えれば手数が増えるわけです
ダブルカットでトップにコントロール、そしてパームなら
一気にサイドスチールからパームした方が
複雑さが上がらないってことでしょう
問題は、手数が増えると、二乗分複雑になることで
その分ミスが起こる可能性が上がるわけです
さらに、パフォーミングアートの特性として
相手に表現する、という手数が常に控えているので
複雑さは常に上昇していくわけです
若いころは、複雑な手順を覚えて演じられた方がスゴイ!
なんて思っていたのですが、このようなルールを
知ってしまうと、どうにも演じる気が起きなくなります
複雑にすればするほど、相手に表現することも
難しくなりますし、ミスをする可能性も上がります
そして、その複雑度が見ている人の許容量を超えると
一気に相手の興味を失ったりします
子供とか、この許容量が少ないので
ちょっと複雑なことすると
すぐに、飽きるでしょ?
大人だって、分からなくなったら
一気に冷める人いるじゃないですか?
それに、マジシャンの敵に回ってしまう可能性も
あがってしまうと思いますし
二乗分ずつ複雑になるということを理解しておけば
一般の人に、どれくらいのレベルで
マジックをした方が良いのかも
判断できるのではないでしょうか?
それに、自分で思っている以上に
マジックをこなせてないことが多いんですよ
仕事としてやっている僕らでさえ
気を抜くと、どこかに手数を忘れてきてしまったり・・・
つまりはその分複雑度を無意識下で下げようって
思っているわけです
先生に習っている人は、この複雑度の概念
分かるんじゃないですかね
教わってもすぐにできない理由って、この辺だと思いますし
自分が無理しない程度の複雑度のレベル
自分で判断出来ておくと、効果的なマジックを
客観的に判断できるかもしれません
これから、見たり・学んだリするマジックに関して
この「複雑度」を意識してみてもいいかもしれませんね
手品・マジック(趣味) ブログランキングへ