第4の壁について:絶対的に透明な存在
第4の壁とは
舞台用語です
ウィキペディアによりますと
想像上の透明な壁であり
フィクションである演劇内の世界と
観客のいる現実世界との境界を表す
概念である。
観客は、観客席から
この第4の壁を通して
演じられる世界を見ることになる。
つまりは、作り物の世界と現実世界の境界線ってことです
そして、舞台ではそのラインが存在することがある意味で
「お約束」になっているので、みんな落ち着いて見てられるわけです
だって、ナイフ持ち出したって、誰も逃げないし
裸の女性がいたからって、襲わないでしょ?
そして、マジックにおいても、この第4の壁に関しては
重要なものになってきます
友人であるアロン・フィッシャーの書籍
「ペーパーエンジン」(日本語もあるので、よろしく!(笑))
には、この第4の壁を破壊しろ、と書かれています
つまり、アロンの中では
マジックは現実の世界で起こる物であり
そのように思わせなければいけない、ってことなのです
こういったスタンスはもちろん人それぞれなので
これに異を唱えるつもりはありません
大切なのは
何らかの「スタンスをとる」
ってことです
演者の中でどっちつかずな状態ですと、見ている人が混乱してしまいます。
これは現実なのか、それともある意味で薄い壁1枚向こうで起こっている
事なのか?
演者の思考パターン、行動パターンが、トリックによってさまざまだったり
タイミングによってさまざまだと、セリフなどの整合性が合わなかったり
論理的に気持ち悪いことが起こるはずです
僕の気持ちとしては、第4の壁は透明で限りなく薄い方がいいとは
思いますが、これを消し去る必要はないと思っています
クロースアップであっても、どこか向こう側の世界の事
程度の認識でいいと思うんです
その方が、何かとんでもなく不思議なことが起こっても
お客さんの感情の落ち着けどころがあると思うので
たまに、ふとした瞬間に
お客さんの頭の中だけで、壁が無くなったのか?
って思うくらいの事が出来るといいなあ、って感じで
こちらから意識的に壁を無くそうって思わないですね
むしろ、壁があることが分かってない人に対して
壁を厚塗りしていく感じ?(笑)
もし本気で、マジックで行っていることを何もなしでできる人が
いると思っている大人がいるなら、それこそ厚い壁に囲まれて
白衣を着た方がたくさんいてくれるような建物に入っていた方が
健全でしょ?
マジシャン自身は、全てを後ろから見ていますので
どこまででも現実なのですが
観客にとっては非現実な世界であると、認識させておいた方が
気が楽な状況って、たくさんあると思うんです
そう考えると、お客さんに手伝ってもらうことって
一歩だけ非現実の世界に踏み込んでもらうわけで
そりゃ、怖いですよね
安易に壁を越えさせるのではなくって
きちんとナビゲートしてあげないと、そりゃ
見ず知らずの世界にくるのは、なかなかのハードルです
もし壁を破壊して、リアルの世界の事柄として全てを受けとめさせるなら
その際に観客が何を受け取り、どういった衝撃があるのか
それを理解しておきましょう
壁を作っておくことで、相手へのパワーは弱まると思いますが
その分、冷静に楽しめるような気もしています
バーなどに立っていると、このバランスというか割合というか
壁の厚みというか、そういったものを意識しておかないと
いけないために、マジックだけに全力を注ぐってことは難しくなります
クロースアップでも、曲をかけてみたいな人もいるでしょ?
あれって、壁を作る手っ取り早い方法なんじゃないですかね
僕自身は、そういった手法を好まないだけで
普通にしていれば、適切な透明な壁が出来てくれるもの
「相手もこちらも、適切に大人なら」
って思っています
僕個人としては、透明な壁があっていいんじゃないですかね
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きむよし | 2016年02月24日