アンケートに関して　パフォーマンスor不思議 | レストランマジック研究所 　戦略と戦術をお持ちですか？

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アンケートへの質問です

パフォーマンスor不思議　
どちらも大切と思いますが
どちらを重視したほうがよいと
思いますか？

とのことです

もちろん、この方のおっしゃりたい事の気持ちは分かる上で

僕が思うに観客の前での「パフォーマンス」の中に「不思議」は
含まれています、という点はお伝えしておきますね

ですので、この際の「パフォーマンス」という言葉の中身は一般的な
演技全般、という事ではないのだろうなあ、という推測は可能です

究極的な一言で答えてしまうのでしたら
「適度なバランスで」
になってしまいますから、もう少し細かく見ていきたいと思います

あくまで僕の私見であることは、ご理解ください

まずは、マジシャンとして「不思議を提供する人」である
というスタンスは、持っていて欲しいなあ、と思います

一般の人にとって「不思議」よりも「笑いにつながる面白さ・楽しさ」
の方が評価しやすいと思います
その為に、手順中多数の笑いを入れる人は多いでしょう

でも、笑いの部分だけが、宙に浮いているような手順を行ったり
マジックともいえない物を行ったりして、それがウケた
という人もいます

そういう人は「マジシャン風のお笑い芸人さん」
とでもカテゴライズした方がいいような気もしています

これもまた、それが悪いのではなく、本人の思っている
カテゴリーとの「ずれ」のようなものが問題になるだけで
お客さんが楽しんでくれるのなら、それはそれで何も問題ありません

自分で自分のキャラクターに、箍をはめてしまうことがあるので
こういった部分も、バランスというか、少し緩めにしておいた方が
楽かと思っています

ただ、マジシャンならマジック的に笑いを起こしていきたいと思いません？

例えば、トミーワンダーの「デジャ・リバース」や「カップアンドボール」
は、予想外の事が起こり、お客に笑いが起こります

ただ、そこで使われているテクニックや不思議度は非常に高く
ちょっとやそっとで出来るものではありません

恐らくマジシャン側に重きを置きたい人なら、こういった笑いの
取り方を考えるのが良いでしょう

そうではなく、手段は選ばない的な人なら、一発ネタを多数
持っておくのが楽ですよね
小林俊晶の「ビックフリスク」みたいなもの

脈絡なく、現象が起こる
不思議ではあるけど、マジックというよりもびっくり箱的なもの
笑いも多いし、驚いてくれるけど、それ手品？ってなるかもしれないですよね

どっちかに偏ってもいいし、僕はバランスが取れている方が
いいと思います

くだらないこともする、マジック的な面白さもある、ガッツリの不思議もある
などなど
だって、その方が人間らしいでしょ

そうそう、ちょっと話は飛びますが
「がっつりの不思議を、最高の楽しみにしてくれる人もいる」
ってことは忘れてはいけないと思います

中途半端に笑いを入れるくらいなら、グロテスクなまでに不思議を提供する
という手もあるってことです

もちろん、これを楽しんでくれる人の率は低いかもしれませんが
こちらの判断基準だけで提供するものをコントロールしてしまうのは
もったいないという事を覚えておきましょう

さてさて、ちょっと冷静になって
お客さんに届ける不思議の量ですが、最初のうちはどうしても多く
なってしまうと思います

なぜなら、マジックの無い素のタイミングが怖いから
ドンドンマジックを詰め込む、という事をしてしまいます

これもまた１つの手ですが、僕はこの手を取りません
なぜなら、そんなに不思議を欲しがる人って、そうそういないから
だったら、不思議の濃度を減らして、もう少し相互にコミュニケーションを
取りつつ楽しんでもらう方がいいと思っています

マジックを見てもらうのではなく、マジシャンを楽しんでもらう

これはパフォーマンスでありつつも、マジシャン個人を示している
って感じでしょうかね

結論として、どちらを？ってなると
「パフォーマンス」って言いたいですね
なぜなら、僕の知っていることを普通に行えば
不思議は十分量、相手に届きます

だから重視しなくていい
別に、適当に流せっていうんじゃないですよ
十分に練習し、骨身に染みついた手順を行うことがほとんどですので
意識をそっちに持って行かれることが、あまりないってこと

意識すべきは、観客との呼吸であったりタイミングであったり
明文化できない空気感のようなもの
強烈な不思議は、確かに相手の記憶に残ります
でも、もっと残したいのは、マジシャン自身

だとすれば、必要以上に不思議にウェイトを置く必要が無くなります

まあ、まずは自分のできることを精いっぱいで演じるのが
いいと思いますよ
それがたとえ、不思議のごり押しで、ハードな手順の羅列に
なってしまったとしても

少なくとも、見てくれるお客さんに対して、手を抜いた失礼な
マジックを示すことはありませんので