情報の順番とその差
どこで覚えたのだか
はっきりとは忘れたのですが
(確かジョセフ・バリーからだと…)
タマリッツの言葉で
「マジックを始める前に
フォースを終えとけ」
というものがある、と聞きました
始めに聞いたときには、頭の中に
クエスチョンマークが浮かんだのですが
意外にマジシャンが気づいていないことなのかも?
と思うようになっていきました
この言葉の意味を考えていて、それと同時に浮かんでくるのは
韓国のステージマジシャンであるルーカスのノート
彼のノートで日本語になっているものがありますが
その中に書かれていることが、タマリッツの言葉と
なんだかダブってくるのです
彼にはたくさんの教え子がいるのですが、そういった
若い子達が過去の名人の演技を見て
「なぜ、この演技がそれほどすごいのですか?」
と、いった風なことを言うというのです
確かに、そこまでではなくても、この教え子のように
過去の演技を見た際に、言われてたほどの感動?のようなものを
受けないって事はありませんか?
ルーカスは、これに関して分かり易く理由を教えてくれます
その理由は・・・
今のマジシャンたちが演じているトリックは、どこかで
先人の知恵を利用しているものがほとんど
つまりは、すでに演技を見て、その知恵を先に知っているから
先人の演技を見ても、要は解析できてしまい
不思議さが減ってしまう、ということ
ですので、過去の名人の演技を見る際にはある程度
時間経過による情報の差を理解して鑑賞しないと
いけない
と、いったことが書かれていました
このことと、フォースに関してのタマリッツの言葉が
リンクしました
大切なのは「持っている情報」って事なんじゃないのかな?って
相手に指示する際の言葉や、自分の行う行動など
こちらはこの先何をするのかわかっているために
指示が中途半端になってしまったり、無意味な行動の箍を
はめてしまうって事はないですか?
指示不足ってたいていは、この点から生まれるような気がします
また、何らかの操作をする際に
もちろん表に見えてはいけない操作であっても
演者の態度1つで、実は相手の記憶に残らないようにすることは
可能なことは多々あります
スペイン系のマジシャンの様に、動作は露骨にしていても
その動作を覚えていないって事はよくあります
マジシャンでさえそうなのですから、一般の人は
更にそういったことが起こるはず
この先に何を行うのか、その情報を伝えず
マジシャンの態度はきわめてラフであったら
(緊張感の無さとでも言いましょうか)
さらには、何らかのオフビートが効いているタイミングなら
そのときの動作を覚える意味は無いわけです
でも、1度現象を見てしまったり、手順を知っていると
その動作もはっきりと判断できるために
「こんな堂々としていていいの?」
って思う人も、いると思います
でも、相手にとってはまだ
「マジックが始まってない状態」だったりするわけです
特に演じる側にとって、マジックがスタートしてないタイミングが
どこなのかって、実は非常に理解しにくいタイミングなのかも
しれません
ある種の情報の差、を上手く利用することで
実はいろいろとラクができることって、たくさんあります
単純に予め仕掛けておく、という作業だけではなく
意外に大胆に、次に起こることの作業を行うって事は
可能だと思います
他のマジシャンのトリックを見た際に、そういった大胆な動作を
どこまで意識的に行っているのか
その点もまた、学びになると思いますよ
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