動くのか?動かないのか? それはポイントだ!!
演者としてではなく
観客としてマジックを見ていて
「見やすい」「見にくい」を
感じたことはあると思います
その人のいい点は盗み
悪い点は反面教師として
自分の演技に取り入れて
良くなるように活かしていけばいいのですが・・
たまに、悪い点を盗んでいたり、いい点が分からなかったり
という残念な人もいます。
そんな中、若いマジシャンの演技を見ていてよく思うことがあります
特に、現象を連続的に起こしていて、不思議に見えているはずなのに
リアクションが薄い、と感じる方は、この点を見直してみてみると
良いかもしれません
観客のフォーカス(視点や視界)に対して
意識を払うかどうかです
こういった事を言うと、相手に対してのマジシャン側が
何らかの意識面でのアプローチをするように感じますが
そうではなく、もっとシンプルにできる物理的な事柄です
簡単な言葉にすると
「見やすくしていますか?」
ということです
例えば、コインのスペルバウンドの時に
現象が起こる場所がコロコロ変わってしまいますよね
最初は右手に持っていて、次は左手で
指先につまむように持っていると思ったら
手のひらの上に乗っていたり
クルクル回していたり
対象物を注意して追っかけるって、結構な負担なわけです
だったら、相手の視点をあまり動かさないで
できるだけ一点で現象を起こし続けてあげるのです
上手い人のトリックを見ていると、現象が起こる場所が
コロコロ変わりません
変わるにしても、見ている人の負担にならない速度に
したり、観客が注意する範囲を小さくしすぎません
下手な人、とまでは言いませんが、自分の行う現象にのみ
フォーカス(自分の意識)が行っている人は、こういった
「どこで現象を起こすのか」
ということには、注意が届きません
もちろん、完全に一点でマジックをする、とはできませんので
相手が注意をする範囲を広げるか、フォーカスしている点を
動かしていくわけですが、動かすにしても無理な速度で行いません
この速度を上げることで、相手の意識を意図的に振り切って
そんなことを「ミスディレクション」だと思っている人が
多いような気がします
相手のフォーカスが切れてしまっている時点で
ディレクションがなくなるわけですから、それをミスすることも
できません
ミスディレクション以前、ってことです
イメージとしては、家庭用のカメラで光学ズームで拡大して
追っている時に、急に対象が動くと完全にファインダーから外れて
次に捉えるまでに時間がかかるでしょ
まさにあんな感じです
現象が伝わらなければ、そりゃ感情の起伏も起きません
だったら驚きもしませんよね
リアクションも小さくなります
もちろんコインに限らず、カードもそうです
現象を起こる場所をできるだけ一定にしましょう
これだけで、相手の負担はグッと減ります
ついででもう1点、これもまた見え方の問題ですが
相手に向ける、物の角度を考えましょう
よく言われるのは、パケットトリックの際
面がきちんと相手に向いているか、カウントするときなども
エッジが相手に向いていないか、など等
自分から現象が見えているってことは、相手からは見えていないことが
多いですよね
コインにしても、相手の視線にきちんと見やすい角度に
示せているのか、って部分も重要です
これもまた、相手に対してどれくらい現象が伝えられるのか
という部分の配慮になるわけです
何かのトリックがウケない、と言って新しいものに手を出すのではなくって
自分自身の状態に、原因がないのか確認してみると良いと思います
そのためにも、他の人の演技をできるだけ見て
良い悪いだけではなく、どうしてそう感じるのかまで
抽出するクセを意識してみてはいかがでしょう?
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