ウケちゃだめなの? リアクションのコントロール
「いや~ウケました!!」
なんて知人のマジシャンが言うのを聞いたりして
すこし疑問に思うことも・・・
何がウケたのだろうか?と
そして、それは狙い通りなのか?
マジックではなく、単にギャグがウケただけとか
たまたまそのグループに、何らかのキーワードがはまっただけとか
毎回すべらず、はずさないというのはなかなか難しいもの
でもプロフェッショナルとして演技をするなら、できるだけ
その「幅」のようなものは減らし、常に高水準でありたいと思います
大抵は、観客の声の大きさなどを基準にウケたのかどうかを
考える人が多いかと思いますが、実際にはそれも・・・
現場によっては、大きな声を出されると困る所もあるわけです
雰囲気を楽しみたいようなお店で、居酒屋のように騒がれても
困ってしまいますから
でも、そういった「居酒屋ノリ」しか知らないマジシャンが、ある意味で
シックな場に行ったら、まあ二度と呼ばれないことになりますよね
もちろん、どのようにマジックをしたいのか
どのようなマジックをしたいのか
それはマジシャン個々人の好みでいいわけです
ただ、1つにはクライアントさんの考え方とすり合わせて
おく必要はあるかもしれませんね
僕自身、ウケた、と思うのは、声の大きさなどよりも
どれだけマジックにのめりこんでくれたのか
帰る時に、僕に笑顔をくれるか、なんて部分です
相手の感情をコントロールし、少なくとも
その場のイニシアチブを取れたと確信できた瞬間は
マジックが相手にウケている・・
受け入れてもらっている
と思えます
そういえば、デビット・ストーンはレストランなどのテーブルを
「泡」のようなものと言っていたと思います
そのテーブルの「Hole」を探して、泡の中に入ると
この泡の中に入れないと、マジックをきちんと見てくれません
「Hole」という概念は、あくまでアプローチの際の
基準であり、マジックに対してのウケや場のコントロールは
別の考えになります
最近思ったのは「泡のリーダーにならないといけないのでは?」
という事でした
いけない、わけでないとしても、意識して泡をコントロールする
必要があるのでしょう
このコントロールができていれば
大きな声を出させないようにしつつ
きちんとマジックがウケている状態にできるでしょう
ちょっとしたリーダー論や、グループのパフォーマンスをどのように
コントロールしていくのか、そういった事に対しての知識が
役にたつわけです
この分野、昨今非常に研究されています
昔なら、リーダーはかくあるべき、的な
「俺についてこい!」的なものが理想だと
思われていましたが、今は部下のパフォーマンスを最大限に
出させることがリーダーの役割
リーダーがいつまでもがんばって、自分が一番!
なんてなっていたら、部下は育たないし
自分がダメになったら、そのチームは終了で
自動で成長をしていかないものになってしまうわけです
マジックでは成長する必要はないですが、自分がいなくなっても
自分に対しての好印象を残しておくためには
きちんとした関係を作っておかないといけない点では
同じでしょう
元々マジシャンは、組織には属せない
「社会生活不適格者」がほとんど(笑、そして自己反省)
だからこそ、こういった知識を身につけ、少なからず
演技の中などで使用したら、そのマジシャンは
そこらの人とは、ちょっと違う存在になるわけです
例えば、マジックを教える先生になった際にも
こういった知識などは、非常に役に立つわけです
そんなこともあり、最近久々に楽しんで読んでいる本ですが
この「パフォーマンスアップ3つの法則」という本です
マジシャンにとっては、いろいろとパフォーマンスアップさせたい
タイミングがありますよね
「こちらの思惑通りに、行動してほしい」とか
「相手の感情レベルで動かしたい」とか
「何かあったら、仕事を紹介して欲しい」とか
つまりは「人とのコミュニケーションのパフォーマンスを上げる」
という事になりますが、この本の中で解説されていることが
まさにこれそのものです
1部で、3つの法則を解説されますが、これを意識して
相手に働きかけることで、互いに
「幸せな未来」を手に入れる事が可能である、と感情でわかるのです
その場が楽しい、だけではなく
「この人は、楽しい人」
などと言ったイメージを相手の中に作り出すことが可能になります
その場での勢いで、大きな声を出してもらい、それをウケだと
感じるのもいいのですが、そういった表に出てくる物ではなく
相手の感情に記憶に、「より良い未来」を思い描かせるようなマジックを
演じたいマジシャンは、この本は非常に参考になるものだと思います
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