アンケートに関して やりづらい常連さん
レストランでマジックを見せる時に、
やりづらい常連のお客様がいます。
最近は仲間も私も避けるように
なってしまいました。
こういう仕掛けだろう、その手が怪しい
等々と言って来ます。
こういうお客様にも楽しんでもらうように努力をした方が良いのか
それとも相手にしないほうが良いのでしょうか
いやー切実ですね(笑)
すみません、笑いごとではないのですが
多分、この方が考えている以上に、問題は簡単なような気がするので
ただ、文面からも、かなり困っている感じも分かりますし
本人の真剣さも分かります。
また、周りの仲間も、同様の事を感じていることも伝わってきて
かなり具体的な状況ですね。
ま、現場に出ていてば、どうしてもぶち当たってしまうような
状況だと思います
さて、どこから行きましょう・・・
まずはですね
以前の記事として、こういった物があります
⇒ 「Hecklers ヘックラーってご存知?」
まずは読んでみて欲しいですね。
これからの話は、その上で進みます
ま、答えは既に出ているような気もしますが
折角ですからね、ゆるゆると僕の思いを書き出していきましょう
さてさて、解決法は様々なアプローチでいけると思います。
まず、その方常連さんなわけです
つまりマジシャンがいることも分かっているし、相手もまともな大人だったら
マジシャンが嫌がっていることは、感じているはずです
だとすれば、何でそんなことを?
答えは簡単「それが楽しいから」です。
マジシャンの側からしたら、迷惑千万な行動かもしれませんが
忘れてはいけない、単純な真実があります
レストランの主役は「お客様」なのです
マジックをしたいのはマジシャンの側の思いです
お客さんは、マジシャンにそのように接していて、楽しいのですから
それでいいじゃないですか
つまりは、マジックを演じる必要もありません
だって、避けられている状態でも、お店に来るんでしょ?
だったら「マジックしなきゃ!」という、考え方そのものを変えましょう
これ、マジシャンには難しい作業なんですよね
しかも、若い方なら余計に
そして自分のマジックに自信があるならなおさら
でもね、所詮マジックなんて、普通の方が生きるためには必要ないんですよ
マジックが好きなのは、マジシャンくらい
マジシャンをいじることが好き、って人がいてもおかしくないでしょ?
だったら、それに合わせてあげればいいじゃないですか
練習しているマジックを1つだけ見てもらって、突っ込んでもらう
とか
完全オートマチックなトリックを演じてちょっといじめる
とか
パズル的なものをやって、相手に渡して遊んでもらう
とか
これで十分に対応できていると思いますよ
つまり、今のままの感覚で楽しませよう、とすると
齟齬が起こる可能性がありますので、ちょっとパラダイムシフトを起こして
しまえば、互いに問題なくなると思います
恐らくこれが一番簡単な解決法、「スタンスを変える」
ってこと
僕自身、どこかに書いたと思いますが
「現場で一番強いマジシャンは?」と聞かれたら、即効で
「マジックを捨てられるマジシャン」
と、答えます。
ある意味で、ココが現場プロなのか、アマチュアさんなのかの境目の1つ
だと思っています
今回なら、演技することを捨てる、という判断ができ
実行できるなら、何ら問題は起こらないと思うんです
まあ、そのお客さん、そういった対応されても
常連さんでいるんですから、お店が好きなんですよ
だったら、マジックなんかなくてもOKですよ
所詮マジックは刺身のつまみたいなもんですから
マジックしないで、普通に会話すればいいじゃないですか
「今日のお勧めは○○ですよ、頼みました?」とか
「お久しぶりですね、風邪とかひいてませんよね?」とか
「次はいついらっしゃるのですか?」とか
多分、そのひと寂しいんですよ
家族関係・仕事関係に踏み込めるなら、情報を集めてみると
面白いと思います
情報をたくさん持つと、なぜだか親しみを感じます
嫌な人でも、嫌さが減るんですよ
(心理学的なテクニックです)
さらに、出来ればその人の過去の話を聞きだし、その話の内容と
自分の存在をある程度リンクさせてしまうんです
(出身地に行ったことがある、同級生に同じ名前の人がいるとか)
これもまた心理学的テクニック
こうなると、相手の過去の記憶に自分の存在をアンカー出来るので
相手はあまり攻撃してこないはず
お客さん対マジシャンではなく
人対人の対応にシフトする、というのがまた一つの手です
これは、コミュニケーションレベルがそれなりに必要だと思いますが
もしですね
「いや、小林さん、そんな甘いものではないんだ!」
と、おっしゃるのでしたら、まずはレストランサイドとお話ししましょう
既に述べたように、全ての人にマジックをする必要はないわけです
だったら、それをレストラン側に伝え、特定のお客さんには
行かなくてもいい、という共通の認識を作っておきます
これ、この部分だけだと、マジシャンのエゴのように聞こえますが
いらない人に行かない代わりに、必要な人には、全力で盛り上げます
ってことも、伝えましょう
っていうか、そうするためです、って伝えるわけです
まあ、常連さんなら、お店のスタッフもどなたか分かっているでしょうから
すぐに分かってくれると思いますよ
マジックの濃淡をつけるってことを分かってもらうのです
必要な人にパワーを注ぎ、必要では無い人にはパワーをあまり注がない
ってこと
まあ、マジシャンをバカにする、下に見るという感じの
方ではないようですので、お客さんとしてお店に来てもらうのは良いでしょう
もし「人格否定」や「職業否定」をしてくるような方なら
僕なら、来ていただかなくても結構、という態度をとるかもしれません
ま、要は、こちらがしなやかになれば、何も問題ないと思いますよってこと
一番いけないのが、目には目をって感じの事をすることでしょう
まさにブライアンチューダーのヘックラーみたいなものです
パワーでねじ伏せるマジックをするってことです
こちらのパワーが明らかに勝っているなら、それもアリになるタイミングが
あるとは思うのですが・・・
まあ、よくない方法です
僕自身、余計な事を言ったお客さんに対して、静かに怒ったことが
あります
それ以降、その方は多少静かになったのですが
前提として、その方はかなり知的な方で、こちらの存在にも
ある程度敬意を表していてくれたから、という理由もあります
あくまで、マジックの邪魔をしただけで、マジシャンに対して
無礼ではないので、良かったのですが、マジシャンに対して無礼な場合
それは人としてお付き合いはできませんからね
ま、若いころだと、マジックを捨てるのも嫌でしょうけど
まずは、マジックを望んでいる人は少ない、って
分かっておくだけでいいと思います
それだけで、自分の心にかなりの余裕ができるはずですから
後は、本などでケーススタディを勉強してください
リンク先のページで紹介してる本や
スクリプトの「レストランマジシャンズガイドブック」などでも
こういったお客さんに関して取り上げています
ご参考になれば、幸いです。
手品・マジック(趣味) ブログランキングへ
アンケートに関して:相手にどれくらい応える? | 2014年11月26日