メモライズデックとスタックデック その差と使い方
スペイン系のマジシャンやトリックが
日本にまで伝わってくるようになって
ある意味で、ようやくタマリッツスタックに対しての
研究のようなものがスタートしたと思います
正直、デック１つを丸々特定の状態にして演じるトリック
というものに対して、それほど日本語の文献を
読んだ覚えがない気がします
自分の経験で言えば、二川先生の
これでもかエレベーター
程度でしょうか
（マジックハウスで販売しておりますので、ぜひどうぞ）
そして、自身であまり経験のない中で
デニスベアーの書籍を訳すことになり
あれだけの使い手ゆえに、知識と経験差がありすぎて
タマリッツスタックのパワーに驚きを感じるばかりでした
このくらいの時に、他のスタックデックなどにも
興味を持つようになりました
そこで遅ればせながら、少しは研究してみようかと
思ったのですが、結構初期の段階で学びがありました
メモライズデック、スタックデック
これらの言葉を同じ意味で使っていたのですが
実際にはかなり機能面での差があるので
その辺の理解をしておいた方がいいと思います
さて、その差ですが・・・
まずスタックデックとは、何らかの意図的な順番
カードの順番を並べてある物です
よく知られているのは、サイステビンスシステムなどでしょうか
これは数理的な循環の状態になっている状態です
ですので、MデックもKデックもアーロンソンスタックも
レッドフォードスタックも、タマリッツスタックも
キラシステムも全てスタックデックです
もっとシンプルなもので言えば、開けたばかりのデックも
特定の順番なのですから、スタックデックの状態にあるわけです
ですので、恐らく一番広義の意味合いの言葉になる
という判断でいいでしょう
もう１つの考え方としては、メモライズではないモノに対して
この言葉を使うことが多いと思います
では、メモライズデックというものは？
基本は数理的な並びになっていたりするけれども
結局は全てを覚えないといけないもの、です
例えば、タマリッツスタックは、何が何枚目にあるという
事に関して丸暗記しないといけないわけです
なので、パッと見たときに何らかの規則性があるようには
見えない状態になっています
アーロンソンデックもここですね、レッドフォードも基本的にここ
まずは記憶力勝負ってことです
単なるスタックデックとメモライズデックとの差ですが
スタートや終わりが決まっている、というのが
１つのポイントではないかと思います
例えば、サイステビンスやキラ・システムは
始まりや終わりが決まっていません
完全に円循環しているために、順番は無いのです
スタートポイントがない以上、各カード間での
何らかのルールがないとスタックを組めません
サイステビンスなどは便宜上のスタートはあったとしても
別にどのカードからでも組めますね？
逆にタマリッツスタックなどは、１枚目は○○というのが
結構はっきり決まっています
この手の物を、メモライズスタックと表現するのがいいでしょう
もちろんこれが絶対の基準、というわけでは無く
この判断を持っておくといいと思います
イメージとして、初期状態が確定されて
その状態でどのカードが何枚目にあるというのが分かる
という感じがメモライズデックですね
そこから外れるものは、スタックデックと表現すれば
いいと思います
初期状態が不安定だったり、カードの順番を明確に覚えないで
ルールのみをおぼえている、とか
もちろん、一概にどちらかに区別できないものもあるでしょう
そして、そういった性質ゆえに、様々な現象を行えたり
するわけです
例えば、広げたカードから、がさっとカードが取られたとして
恐らくタマリッツスタックではその枚数を出すのに
手もとに残ったカードの枚数目から計算・・？かな
でも、サイステビンスだとマークと数字で計算する感じですね
イメージとしてはこっちの方が計算が楽だと思うんですよね
逆にタマリッツスタックだと、特定のカードをボトムにコントロールすると
同じ数字の残りの３枚はトップ２６枚中に来るわけです
カード間の数理的原理のみに頼っているスタックの場合には
これはできないですね
どちらが良い・悪いではなく、性質が異なり
長所と短所がある、わけですので
是非研究をしてみてください
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