ダンディズム | レストランマジック研究所  戦略と戦術をお持ちですか?

ダンディズム

NKJ52_usuguraichikurin500日本からハワイまでが、約8時間
ちょっと寝て、映画でも見て
本でも読んでいれば
あっという間に
ホノルル空港です

今回のフライトでも、数冊の本を
機内に持ち込んでみましたが
予想以上に面白く、想像力が働き
案外読み進められなかった本がありました

「葉隠」

本当は中国古典である「論語」の解説本とか
読もうかな?とも思っていたのですが、ブックオフでたまたま
安くなっている文庫を見つけ、買ってみました

昔の本(江戸中期)と侮るなかれ
実に骨太で、ダンディーな内容です(笑)

私、一応、高校時代はメインの社会が倫理・政経

ですから、哲学や思想に関して多少は知識がありますし
中国古典と兵法に関しては、本も読んだりして
興味を持っています

国学、というと近代的なニュアンスになってしまいますが
まあそんな風に、国内の理論書のような物にも多少の興味が
あっても、大元である事を学べば、事足りると思っているのですが
(要は儒教とは陽明学とかね)

「武士道とは、死ぬことと見つけたり」

こんな文章が、どのような位置づけで書かれているのか
学んでみたいと思い、購入しました

で、内容を一言で言ってしまえば

「ダンディズムの教科書」ともいえるもので
現代社会においても、その内容は非常に示唆に富んだものだと思います

元は鍋島藩の人がまとめた文章で、自分の経験と
鍋島武士は、こうあるべしというものをまとめたエッセイだと
考えればいいでしょう

自国の武士のために書いたモチベーションアップの国内向け読み物
って考えても良いと思います

セルフイメージを上げつつ、君主にキチンと仕えさせ
カッコいい男とはどういった振る舞いをするのか
結構具体的に書かれています

儒教などの影響を色濃く受けていますので、主人に仕える
事を前提としていますから、その点は納得できない部分もありますが
これはスタンスの違いで、意識の持ち方やその潔さなどは

非常に参考になります

で、何がダンディズムかといえば

芸に秀でてはいけない(お役を達成するための武芸などは別)

武士たるもの、常に見た目も美しく

人一倍、仕事をしよう

表に現れては、武士としてはダメ

など等

まだ全部読み切っていないので、面白そうなことが
たくさんありすぎます。

とにかく鍋島の武士は、こうあるべし!
ってことが書かれていて
これができていない他の藩の武士は、かっこ悪い!
って書かれています。

見た目を美しい状態で保つのが大切
というのはちょっと意外でしたね

見た目を気にせず、武芸に秀でるのが武士!
というのはもう古い
殿の近くで使えるのなら、みっともない恰好をしていることは
かっこ悪い!

という感じ

うん、面白い!
少々行きすぎな内容もあるのですが、それもまた面白いです

「武士道とは、死ぬことと見つけたり」も
つまりは、常に死と隣り合わせであるくらい真剣に生きて
仕事をしろってことです

決してマイナスの意味ではなく、非常にプラスの意味合いなんです

無駄に生きることに執着を持つのではなく
今日死んでもいいくらいに頑張って
充実した毎日を送っていこう!ってこと

まさに、論語の冒頭ですね
朝に理きかば、夕べに死すとも可なり、ってやつ

なんか、昔って四角四面な感じですが、この本を読んでみて
とっても人間クサくって、共感できる部分がたくさんです

日本人の多くが、こんな信条を持って仕事できるなら、もう少し
良い国になっていくような気がしますが・・・

マジシャンも同様
カッコいいマジシャンとはどういったものか
何か信条のようなものを持っています?

何もないなら、この本を読んでみるといいですよ

江戸時代でさえ、服装や髪形へ気がまわらない事を
かっこ悪いことと言っているくらいです

マジックやる際に、そういった部分に気がまわらないのは
かなりかっこ悪いですよ
だって、江戸時代の人に負けているんですから

葉隠の名のごとく、前に出ることなく
目的のために必死に仕事をする美しさって、僕は好きですけどね

ある意味で、僕の座右の銘が「常在戦場」
常に死と隣り合わせ、位の気持ちでいます
多分、鍋島藩の方とは、話が合うんじゃないかな?

なんてことを、南の異国の地より思っております


 
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