シアトリカルライブ ~Retrace~ 観劇?観覧?してきました
以前からの知人である日向大祐氏のライブに行ってきました
場所は、千歳船橋
キャパシティは50席ほど
1階はカフェになっていて
2階がシアター
東京には多くのマジシャンがいる中でも
こんなライブができるマジシャンは、彼だけでしょう
それが彼の狙いでもあり、その狙いは違わずに命中している
僕自身、自分をレストランマジシャンと表現するように
ライブやショー形式は非常に弱い
できないわけではないが、得意ではない
長年マジックにまじめに向き合っているので、かわし方は知っている
ただ、
サイレントの演技に耐えられる体になっていないこと
これが非常に大きいと思っている
つまりは、体で表現することが非常に下手
指先はちょっと別ね
50人の空間いっぱいに、自分の威力を保とうとすると
どうしても体で表現しなければいけない
このあたりはステージマジシャンの得意なところでしょう
(とはいえ、・・・な方もいるわけですが)
日向君(知人として、親しみを込めてこう言わせてもらいます)は役者としての
トレーニングも経験も積んでいるので、体と言葉で表現することに
慣れている
長けているのかは分からないが
並のマジシャンよりも確実に慣れている
(なんで長けているのか分からないかというと、僕が詳しくないから)
モニターが入っているとはいえ、それはあくまで補助として
理解をしやすくするためであって、頼ってはいない
構成・演出も自分で行っている
ここは恐らく今のマジシャンには一番ない力だと思う
(特に僕は・・ない!)
これは「構成・演出」を普段意識しないから
逆に意識するような場にいれば、少なからず身にはつくと思う
役者として舞台を踏んでいることが、ここでも役に立っている
そして、無茶をしていない
マジックのトリック面でもそうだし、テクニック面でもそう
むやみやたらに大きく見せようともしていない
たまたま東京に仕事で来ていた小林俊晶氏と一緒に見たが
その後で「マジックの濃さ」についての話になった時
味が濃ければいいってものではない、ということ
適度な味わいが、一番心地いい、はず
日向君は、そこをついてきている
もう少し濃くもできるだろうが、それはフルスイングしていない
のではなく、意図的にコントロールしている
これは全力を出し切らないのとはわけが違う
できることをフルスイングで!
は重要だけど、それはお客さんのことを考えたうえでの話
ボクサーが強烈なパンチだけで試合を組み立てないのと同じ
コンビネーションで行くから、ヒットさせたい時に
きちんとヒットする
一般のお客さんの反応を、同じ会場内で感じ
非常に新鮮でもあった
マジシャンからすれば、ある程度先が見えるトリックであっても
十分に強力なパンチ
変な世界にどっぷりとつかってしまうと、見えなくなる部分
もちろん、そんなトリックをきちんとこなす腕も必要にはなるのですが
恐らくこのライブを最初に見たのなら、その人はマジックを好きになって
くれると思う、そんなコンビネーションを見せてくれた
きらびやかな光と、白いスモークで飾られたマジックも素敵ではあるが
自分の紡ぎだせる小さな奇跡を、目の前のお客さんにそっと静かに
届けるマジックもまた素敵
なかなか、自分のソロライブを行うのは大変ではあるけども
パフォーマーとして成長したいのなら、行わなければいけないことなのでしょう
僕自身、パフォーマーとしてはあまり前に出ることに欲がないので
観に行くか、お手伝いをするか、その位しかできないのですが
こんなライブが、全国で行えると面白いなあ
今までのステレオタイプなマジックのイメージにくさびを打ち込んで
新しいスタイルを作り上げていって欲しい
そう、まさに今日をRetraceする日が来るように
P.S.
会場までの地図が、少しわかりにくかったなあ・・・
手品・マジック(趣味) ブログランキングへ