説得の心理技術：エモーショナルな選択 | レストランマジック研究所 　戦略と戦術をお持ちですか？

マジックと言えば
「手は目よりも早く」
と思っている方もいまだ
それなりにいらっしゃるのですが
それは全ての真実を表してる
言葉ではありません
　
いわゆるフィジカルなレベルでの
技術というものは絶対的に
必要な物になってくるのですが
アスリート並みの身体能力を
必要とするようなマジックが過去から未来に
渡るまで「クラシック」として残るわけがありません
　
むしろ、適切な手順や練習をもってすれば
再現可能なものでなければ、名作・クラシックとして
残らないわけです
　
だって、そのトリックが良いものか、悪いものか
検証できないですからね、たくさんの人に
演じてみてもらわないと
　
そして、フィジカルなテクニックだけではなく
頭の中の作業というか、テクニックも存在します
その中の１つに「マジシャンズ・チョイス」などと
言うものがあります
　
演者の意図通りの選択をさせるのですが
観客側は全くの自由意思に思える、というもの
　
最近では「エキボック」という言葉の方が
メジャーになってきている感じもします
　
「エキボック」は英単語で
「複数の意味に解釈できる言葉の使い方」
位のものだと思っておけばいいでしょう
（たしか東大入試、英語の要約問題にもなったことがあるくらい）

これは、限りなくロジカルな手法を使って
相手に気づかれないように、こちらの意図通りの結末を
選んでもらう手法ですが、さらに強力な手法として
少々危険なエモーショナルな手法も存在しています

これはマジックで使うというよりも、日常生活で使用されてしまう
物だと思いますが・・
　
そんな手法が解説されているのが、上記画像の本である
「説得の心理技術」です
　
著者の経歴が面白く、かつてカルト教団に洗脳されていた、とのこと
そしてそこでの経験を元に、相手の信念などを書き換えてしまう
そんな方法を研究していったそうです
　
この本の中では「説得」と「操作」という２つの観点が
述べられています

この２つの差は突き詰めると「使い手の意思次第」　
ということ
つまり、相手を操作することも、相手を説得するのも
手法的にはほとんど変わりがないわけです
　
チャプター３以降の章では、その具体的な方法が
細かに述べられているのですが、決して難しいものでは
ありません
　
例えば服装や振る舞い、そういった部分から
説得や操作を仕掛けていくわけです

そして一番重要な部分は「ペルソナ」になってきます
これは、自分自身がどういった人間なのか、ということ
ざっくり言えば、キャラクターと言える部分でしょうか
　
このペルソナが、相手にとって信頼出来たり
権威性を持っていたり、共感をしてもらえるような
ものになると、相手の中に入り込みやすくなるわけです
　
ペルソナには３つの要素があり

• 容姿や外見
• 声とコミュニケーションスキル
• ポジショニング

最初の容姿に関しては、想像もできると思います
　
自分と似たような服装をしている人に親近感を覚えたり
するわけですが、実際に相手に対しての説得を考えるなら
どのような服装にした方がいいか、それも本の中に載っています

しかも、それは庄司タカヒト氏の書籍である
「接客の魔法」の中で、同じことが形を変えて
示されていることです。
　
声とコミュニケーションスキルに関しては
意外に注意してない人がいるのですが、声のトーンや
大きさなどもまた、説得には影響してきます
　
もっと言うと、言葉の間
あまりにも早口でしゃべったり、または遅いペースだと
相手の中に入り込めない、ということになります

ポジショニングに関しては、相手との関係性を
どのように作り上げるのかということです

テーブルホッピングなどの場合
お客さんに受け入れてもらえない、ということが
ありますが、それはマジック以前の問題で
こういったペルソナの判断をされているから
ということが、結構多くあります
　
そして、そういった判断は、ロジカルなものではなく
エモーショナルな事柄なので
考えて対応しようとしても、上手くいかないことが多いです
　
マジック以前のエモーショナルな部分で、相手の頭に
こちらにとってはプラスにならないことを伝えてしまう
そんなことを避けるために、こういった心理技術を
学んでおくこともまた、マジシャンにとって
プラスになるはずです
　
かなり具体的な方法も載っていて、プロとして
リピーターを作ったり、ブログなどに対しての使い方も
解説されています
　
エキボックにせよ、エモーショナルな説得にせよ
正しい手法を知っている人と知らない人では
効果に差がでます
　
さらに内容を知りたい方は、こちらへ
⇒「説得の心理技術」