もし10年前にこの本に 出合ってたら・・・ 私の人生は大きく変わっていたかもしれない
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何度も頭の中に浮かんでくる言葉がありました・・・
一体どうやったらプロマジシャンで食っていけるのか・・ |
今から十数年前の僕にとって、それは大きな問題でした。
大学生時代にマジックに目覚め、いつのまにやら
ちょっとしたおこずかい位なら、マジックを演じることで
余裕で稼げていました。
同時に予備校でのバイトもしていましたが
もちろん時給換算すればマジックでのお金には到底及ばず
楽しみながらお金をいただけるマジックにのめり込んでいきました。
そしていつのまにか、プロマジシャンになろうと・・・
そんな、真面目とは言えない大学生活を送っていました。
僕はみごとに留年し、大学には5年いましたが
5年次の春、留年している生徒たちは別室に呼び出され
卒業に関しての条件を、個々の生徒へ1人1人言いわたされます。
僕は、現状受けている授業をきちんとクリアできれば
何とか卒業可能であると、言われました。
ここは生来の真面目さが生きてくれたタイミングです。
つまりは就職活動や院への進学を考えてもいいと
担当の教授から言われました。
これ以上、大学院などへの進学の意志がない私は
もちろん社会にでて生きていこうと思いました。
そして、できれば自分が好きなことでお金をいただき
生きていければ幸せだと。
頭に浮かんだ職業は、たった1つ・・・
でも、この言葉がすぐに頭をもたげてきたのです・・
一体どうやったらプロマジシャンで食っていけるのか・・ |
稼げていると言ったところで、所詮は大学生のバイト。
一人の社会人としてやっていくには少々心細い金額です。
もちろん、仕事量を増やせば、入ってくるお金も増えますが・・・
本当にそれでいいのか?
一体諸先輩たちは、どうやってプロとして生活しているのだろう?
そういった疑問を持ちつつ、結局は解決しないまま時間が過ぎ大学卒業後
昼は予備校勤務、夜はマジシャンという二足のわらじを履くこととなりました。
そう、演技のみで食っていくプロマジシャンは諦めて
パートタイムプロフェッショナルとしての生活を選びました。
忙しくもなかなかに刺激に満ちた生活です。
朝9時には出勤し、6時には退社、そのままマジックバーに行って
夜中の2時3時までマジックをして、家に帰って少し仮眠をとったらすぐに出勤。
若いうちならば、経験としても面白いものでしょうが
やはり40代・50代にになっても
こういった生活をするのはお薦めできるものではありません。
その後色々とあったのですが、今振り返ってみても
僕自身演技だけで生きていた時間は非常にわずかな間のみです。
つまりは、多くの人がイメージする「プロマジシャン」的な
生活をしている訳ではないのです。
では、プロマジシャンではないのか?と言われると、自分の職業に関しては
「プロマジシャン」と説明するのが一番わかりやすく、合っているような気がします。
一体どうやったらプロマジシャンで食っていけるのか・・ |
この答えも、今までの経験と思考から導き出せるような気がします。
つまり、バーやレストランで演技をするだけが
プロマジシャンとしての生き方ではないということです。
様々なやり方で、プロマジシャンとして生きていくことが可能なのです。
でも、マジックが好きな若者などは
演技をしているマジシャンの姿しか目に入らず
それのみが生活の糧だ、と思ってしまいます。
少なくとも、十数年前の僕はそうでした
ゴルフのプロにもツアーを回る人もいれば
レッスンプロがいるようにマジシャンにも様々なプロがいるわけです。
演じてお金をいただくのは、そのうちの一形態であり
もっと広い視野を持ち合わせる必要があります。
マジックを作り出していくのも、その1つでしょう
とはいえ、なかなか真にクリエイティブなマジシャンはそうはいません。
そんな数少ないマジシャンの一人が、アンドリュー・メインです。
非常に多くの刺激的な作品を作り出していますが
コンベンションなどで本人の演技を見かけることなどもなく
どこかでショーを行っているなんてことも聞きません。
こういった人たちって、どうやって生活をしているのか、全く見えてきません。
生活感が見えないのは、マジシャンらしいと言えるかもしれませんが
でも、どこかでお金を稼ぎ生活をしているはずですので
その方法に興味を持つのは当然と言えるでしょう。
そんな生活感の見えないアンドリュー・メインが
非常におもしろい本を出していることを見つけたのは、だいぶ前です。
簡単に言えば「マジックでお金を作る50の方法」
今まで多数の冊子やDVDをリリースしてきたアンドリュー・メインですが
全く毛色の違う内容に非常に興味をそそられました。
そこには、常に奇妙なアイデアを出してくる彼からは
あまり感じることのできない非常に地に足がついた感じの内容でした
そう、その時思ったのは
「この本を10年前に読んでいたら・・・」
です。
もしかすると、パフォーマンスをメインの仕事として生きている
そんなマジシャンになっていたかもしれない内容です。
プロのマジシャンとして、収入を確保し、きちんと生活をしていける
道筋が見えるかもしれない・・・
そんなアドバイスに溢れています。
マジシャンにとっての仕事場や仕事の方法は、数限りなくあり
それらを組み合わせることで、十分な収入になってくれる
それを、教えてくれる冊子です。
冊子は全部で50のページ別れていて、それぞれのページで
1つの方法が紹介されています。
演技をしてお金をいただく方法
他のマジシャンのために、マジックを演じる以外の事からお金をいただく方法
自分一人でもできる方法
何人か集まることでできるようになる方法
とても多彩なアイデアが書かれています。
もちろん、アメリカという国においてメジャーな事柄を
利用している場合もありますが
これを日本に置き換えて改めて考えてみることも
それほど難しくないわけです。
(こういったことを、ローカライズと言います)
むしろ、そういった事柄に日本のマジシャンは
全くと言っていいほど目を向けていない
可能性が大きので、ライバルもおらず
お金になりやすいともいえるでしょう。
50個の、プロマジシャンとして生きて行く土台を
作ってくれるアイデアだと思います。
ここに載っているアイデアを試すことで
自分の経験を他人と共有し、そしてまた仕事を
大きくしていくことも可能になるはずです。
レストランマジシャンとは、またちょっと違う仕事の仕方を
探している方は、この本が参考になると思います。
非常にシンプルなものですが、楽しんでいただけるものでしょう。
50 ways to make money with magic |
実際に冊子の中に書かれていることですが・・・
ストリートマジックを演じ、お金をどこから頂きます?
見てくれたお客様だけが、お金を払ってくれる相手ではありません。
場所を選び、方法を選べば、お金を受け取れる手段は増やすことができます。
フレキシブルな時間の切り口を持ってます?
よく考えれば、マジックを演じることのできるタイミングがは
1日の間にいくつもあります。それだけ仕事場を作り出すことができるのです。
マジックを演じる、対象、目的、場所を検討してますか?
演じるマジックが同じだとしても、場所が変われば目的が変わります。
対象が変われば目的が変わります。なぜマジシャンが必要とされるのか?その目的を
考えてみれば、思考を伸ばし仕事にできる場所が見えてくるはずです。
演技だけが、マジシャンの収入源なのですか?
他の人が困っていることを解消してあげれば、お金を生み出せます。
同じマジシャンだからこそ、マジシャンの困っていることを解消して
収入減に変えていくことができます。
自分の視野がいかに狭かったのか、それに気づかされる内容になっていると思います。
マジシャンとして複数の収入源を作っていくことが可能になるでしょう。
50 ways to make money with magic |
追伸
もし、レストランマジックに関して勉強をしたいのでしたら
ユージンバーガー氏の冊子をお勧めします。
(こちらも、レストランマジック研究所にて扱っています)
レストランマジックは、正直横のつながりで仕事になることが多いです。
それはそれとして、自分で新たなビジネスを開拓できる力を
もっておくことは非常に有利です。
とはいえ、レストランでマジックを演じればいい
と思っているマジシャンが多いので
この本を読んだマジシャンは、お店が手放さなくなるでしょう。
追追伸
大切なことは、こういったものを読んで「行動する」ことです。
行動しないなら、何も生まれません。
多分、購入する、という行動を取る方は
既に何かをつかんできている方でしょうし
「どうせ、こんな本・・・」と言って行動しない人は
いつまでたっても何も手に入れられない人生を送っていく方なのでしょう。
決してそれを悪いとは言いませんが、それでいいのですか?
もしあなたが「行動をする」ことに対しての
ノウハウやハウトゥを身につけたら
この先、新しいことを学んだとしても
すぐに身につけることが可能になるでしょう。
追追追伸
単に趣味でマジックを演じている人と
プロ然としている人の違いは多々あると思います。
仕事という面で考えてみると
1つには「マジックが手段になっているか」という部分だと思います。
マジックが手段ではなく、目的になっている場合
それはアマチュアのニオイが消えません。
プロフェッショナルのマジシャンのマジックは
ある種マジック(正確にはトリックと行った方がいいかも?)
とは手段として距離を置きつつ、その愛情はにじみ出ます。
この本からも、アンドリューメインがマジックと
マジシャンに惜しみない愛情を注ぎつつも
冷静にプロとして距離をとっている感じがします。
そうった部分もぜひ楽しんでみてください。